「一夏(?)の思い出」


SS作者:クレリテさん



 雪歩「…暑い…ねぇ…。」 真「そう…だねぇ…。」
GW連日の営業も終わり、少しの息抜きとばかりにプロデューサーがもらってきた沖縄での海開きの中継レポートの仕事に来ていた雪歩と真は、
空港を出た直後から襲い掛かる、とても五月とは思えない容赦ない真夏の太陽の熱気にすでに参っていた。

真「…海についても、泳ぐのは中継終わってからだっけ…?」
雪歩「うん…メイクが落ちたら大変だから、お仕事終わってからだね…。」

控え室代わりにと使わせてもらっている海の家のお座敷から水平線を眺めていた真の目にはとても今いる空間と時空を共有してるとは思えない程に透き通るような碧い水平線が広がっている。

真「うー…はやく泳ぎたい…ッ」炎天下の中での待ち時間は真のそこそこ我慢強い心をもジワジワと侵食していく。
雪歩「もうそろそろだから…あ、アイス溶けて落ちちゃうよ?」
真「え?…わわっ!パクッ!」間一髪、右手に握られた棒の先から崩れかけたバニラアイスを口でキャッチする真。
真「…ん~~~!!!…あーっ、冷たっ!」急に冷たいものを食べた時特有の刺激が真の頭の奥深くを襲う。

P「真ー、雪歩ー、あと10分で中継はいるぞー。」

雪歩「ふふ…、あ、そろそろスタンバイだって。真ちゃんいこ?」
真「ん、わかった。すぐ食べちゃうからちょっと待ってて!」
そう言って勢いよく残りのアイスを口に頬張った真は冷たさによる爽快感と刺激で喜びと苦しみを両方同時に表すような何ともいえない表情を浮かべている。
雪歩「真ちゃんったら…ふふ、大丈夫?」そんな真の頭愛おしそう優しく撫でる。
真「ん~~っ!!…ふぅ、もう大丈夫、じゃあいこっか!」
そう言うと頭を撫でていた手を握って力強く、でも優しさを込めてエスコートする。
真「終わったらたっくさん泳ぐぞーーーっ!!!」
雪歩「うん♪」
二人はさっきまでのダラけた感じをスイッチでも入れたかのようにしっかり切り替えて焼けるような砂浜へ向かっていった。


\…カット!お疲れ様でしたー!!/
真「お疲れ様でしたー!」雪歩「お疲れ様でした~。」

特に問題もなく無事中継は終了した。周りの一般の方々からもお疲れ様の声を頂いている。

P「二人共お疲れ様。とてもよかったぞ!特に快晴の日差しに映える二人の水着姿が最高だったな!」
雪歩「そんな…はっきり言われると恥ずかしいです…。」
真「プロデューサーはいつも直球ですね…ボクでも照れちゃいますよ…。」
あまりテレビで見れない二人の顔を見れるのもプロデューサーの特権だったりする。
P「まぁとにかくお疲れ様!今から明日の夕方の便で帰るまではスケジュール空けてるから、せっかくの沖縄を楽しんでくれよ!」
真「はい!早速楽しんじゃいますね!!」雪歩「あ、真ちゃん…待って~。」
待ってましたとばかりに羽織ったパーカーをプロデューサーに預けて海に駆け出す真と、それを追いかける雪歩。
まだまだ子供だな…と思いつつ周囲の水着ギャルを品定めするプロデューサーの目は真剣そのものだった。

ザバーン!!…ぷはぁ!
早速飛び込んで沖縄の海の冷たさをしょっぱさを全身で感じる真の耳に
「ま、まことちゃんたすけてぇ~・・・… 」
と消え入るような雪歩の助けを求める声が微かに飛び込んできた。
真「…え!?雪歩?どうしたの!?」
すぐさま後ろを振り返ると、砂浜と海辺の間に、丁度真と雪歩を遮るようにして、かなりの巨躯を誇る犬が佇んでいた。
雪歩「ま、まことちゃーん…うぅ…」犬嫌いの雪歩にはこの状況は衝撃的すぎて今にも泣き出しそうだ。
真「い、犬…だよね、デカいけど…。と、とにかくすぐ行くから待ってて!!」

といいつつすでに犬と思われる巨体は喜びで尻尾を左右に往復させて、今にも雪歩に飛び掛りそうだ。

真「あんなのに飛びつかれたら、雪歩ショック死しちゃうんじゃ…!?」
急いで駆けつけようにも波に足を取られて上手く走れず、やきもきしてるその瞬間、犬と思われる塊がついに雪歩に向かって飛び掛ってしまった。
雪歩「!!?くぁwせdrftgyふじこlp;@:!!!」
真「うわ、雪歩ー!!!」

犬と思わしき物体と雪歩が重なるか否かという刹那の瞬間……その間に黒い髪をなびかせた一つの人影が割り込んでその巨躯を受け止めた。

???「こら!人に飛び乗ろうとしたらダメだぞ?犬美はでーじ重いんだからな!?」
若干の沖縄訛りを交えたかわいらしい少女の声で、犬美と呼ばれる獣を諌める。
雪歩「ひゃぅぅ…あ、あれ…?」真「あ、あれ…あの子は…」
真&雪歩「響(ちゃん)!?」
響「…んー?あれ!?真と雪歩じゃないさー?沖縄きてたのかー。」
雪歩の危機を救った救世主は、同じ765プロの我那覇 響だった。
雪歩「うぅ…響ちゃんありがとう~…ぐすっ」
真「響もこっちに来てたんだね。仕事?」
二人同時に響に声をかける。
響「うちの犬美がごめんなー。気に入るとすぐ飛び掛ろうとするから危なっかしくてなー。あと仕事じゃなくてちょっと法事で戻ってきてるんだ。二人は仕事か?」

二人は同時に頷く。

真「あ、でももう終わって、明日の夕方の飛行機で帰るまでフリーなんだ。」
響「お、そうなのかー。泊まるとことか決めてるのか?せっかくだからうちに泊まってってほしいぞ!」

そう言われて二人は目を輝かせた。

真「いいの!?響の家って沖縄伝統の家だよね、見てみたかったんだ!」
雪歩「あ、じゃあプロデューサーさんに伝えなきゃ…。まだその辺りにいるはずだけど…。」

そういって周囲を見渡すと、無謀な戦いを挑み続けて、連敗の末に真っ白に燃え尽きた"orz"の構えを取ったプロデューサーの姿が目に入った。

真「…あとで連絡したらいっか…。」
雪歩「うん…そうだね…。」
響「よし、じゃあ全は急げだぞ!結構すぐ近くだから、歩いていけるぞー!」

硬直したプロデューサーを置いて、三人は響の家に招待され、沖縄料理や穴場の観光スポット等を満喫し、有意義な休暇を堪能して翌日の夕方、空港に到着した。

響「自分はもう少し残るから、また765プロでなー!!」
真「うん!またねー!」
雪歩「は~い、765プロで待ってるね~。」

響と別れて、飛行機に搭乗し並びの座席に腰掛けた二人はとても満足そうだった。
真「最初はまさかの暑さに参ったけど、来てよかったね。」
雪歩「うん。犬美ちゃんにはちょっとびっくりしたけど…でも楽しかったね。」
二人で興奮さめやらぬ中沖縄話を語り合いながら飛行機は離陸した。

真「……あれ?隣空いてるけど……あっ!」
雪歩「……あっ……。」

真っ白に燃え尽きて抜け殻となったプロデューサーを残して……。






  • 会話とか地の文のテンポがよくて、アイドルたちの動きが目に浮かんできて楽しくて終始2828しっぱなしでした^^ 犬美大きいんですよねぇ…雪歩には危険です、危険!>< …プロデューサーはどうでもいいや…(ぇ ご参加ありがとうございました、おつかれさまでした。また次回もご参加いただけるとうれしいです^^ --- coro (2010/03/21 02:52:29)

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  • 最終更新:2010-03-20 11:40:56

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